押忍!
「空手道」レビューいくぞ!
空手道はデータイーストが1984年6月に稼働開始した
アーケード用2D対戦型格闘ゲーム。
年齢的にはスーパーマリオと同い年か
とにかくシンプル!余計な雑味一切なし!
素材の味一本勝負!な感じの対戦ゲームで、
ぼくはめちゃくちゃ好きな一本なんだけど
見た目の地味さで、明らかに人は選ぶぞ!
ちなみに、ぼくがプレイしたのは
PS4のアーケードアーカイブス版ね。
特徴
空手日本一を目指して全国大会へ!
ストーリーは単純明快。
主人公が空手の全国大会優勝を目指して
対戦相手を次々倒していく、って内容。
最初に道場で操作方法の確認、
その後門下生ふたりと対戦、
勝てば晴れて全国大会だ!スパンはええ!
全国大会では
試合→ミニゲーム→試合→ミニゲーム→…
とエンドレスに続いていく。
昔のアーケードゲームによくある
面をループするタイプのゲームなので
いつまで勝ち続けてもエンディングはないし
永遠に優勝はできないぞ!
俺は、いつまで戦い続ければいいんだ…!?
アーケードゲームとしては
世界初の対戦格闘ゲームって事になってるけど
残念ながら対人戦には対応していない。
3か月後に稼働開始した続編の
「対戦空手道 青春美少女編」では、
対人戦に対応している。
次回作までのスパン、異様に短いのね。
二本のスティック操作で多彩な技を駆使して戦う。
このゲーム最大の特徴。
空手道は対戦格闘でありながら
コマンド技が一切存在しない。
ゲーム中に操作するのは左右2本のスティックのみ。
そもそもボタン操作が存在しないんだよね。
左スティックがキャラの移動操作、
右スティックが攻撃動作に割り振られていて、
左右それぞれのスティックの倒し方によって
16種類もの多彩な技が繰り出せるようになっている。
繰り出す技によって
スキの少ない「小技」と
スキの大きい「大技」の属性があって、
これが相手に当たることによって
「小技」なら「技あり」
「大技」なら「一本」を取ることが出来る。
技あり2回で一本扱いとなり、
相手にから一本取れれば勝利!
試合時間はわずか30秒。
これだけみると短く感じるが、
実際のゲーム内では30秒でも長いと感じるぞ。
決着がつかなかった場合は、
当てた技によるスコアが高い方が勝ち。
ここがGOOD
特別なコマンド一切なし!間合い管理とじりじりとした駆け引きが熱い!
複雑なコマンドが一切必要ないからこそ、
出したい技を確実に出せる。
これだけで、相当ストレス軽減されてて、
めちゃくちゃ遊びやすいんだよね。
かといって適当に技を出してればいいか、
といったらそうでもなく、
それぞれの技の属性や、
出した時のスキを踏まえた上で
相手に駆け引きを迫っていく事になる。
このストイックかつシンプルなゲーム性がものすごく熱い!
飛び道具とか投げ技とかの類は一切ないから、
最初はスキの少ない「小技」で間合いを詰めつつ、
相手の攻撃を誘い、
かわした所を「大技」で攻めて一本とる!て感じで
徹底した間合い管理と技の誘い合いから
攻撃を当てることに焦点を置かれているんだよね。
狙った戦法で相手を仕留められた時は、
もう脳汁が止まらんのですよ。はい。
勝っても負けても一瞬。だからこそもう一度プレイしたくなる謎の中毒性!
勝負の世界はいつも一瞬!
体力ゲージの類は一切なし!
とにかく技を当てれば勝ち!食らったら負け!
だから、大抵は制限時間の30秒を使い切ることはないね。
大体平均10~15秒ぐらいで
すべての勝負は決着がつく。
とにかく一瞬。
負けたらコンティニューとかいう甘えた要素は一切なし!
問答無用で、また道場から鍛え直しだ!
だからどんなに勝ち進んでも
1プレイ長くて10分はかからない。
展開がシンプルだからこそ、疲れにくいし、
一瞬で終わるからこそ、繰り返しプレイしたくなるんだよね。
ここがBAD
地味!とにかく地味!果てしなく地味!!
もー本当にこれ!
あえて悪い点をあげるとしたらここに尽きる。
地味なんだよなぁ、このゲーム。
それでも当時のアーケードゲームの中では
演出とか頑張ってる方なんだけど。
まず試合中はBGMがない。
幕間にはスポットでBGMが挟まるんだけど
試合中はとにかく静か。
競技場には観客もいるのだが
歓声をあげるのは、一本が決まった時だけ。
技も地味。
派手なエフェクトも、人間離れした動きもなし。
(相手を飛び越える前転宙返りはあるけども)
空手家のリアルなモーションで
技を出しても出るのは「はっ」とか「うっ」とか
そんな声だけ。
音のない道場、競技場の中で
ふたりの選手の蹴りが空を切り、
ふたりの息遣いが静かに聞こえる…。
いや地味!!無観客試合かよ!!
必殺技とかもないから、
マジで音がほとんどない。
ちなみに間にはさまるミニゲームも地味。
瓦を割ったり、
なぜか飛んでくる植木鉢や空き瓶をたたき落としたり、
なぜか浜辺で牛が襲ってきたり。
シチュエーションは頭おかしいのに!
いい意味で頭おかしいのに!
絵面だけが本当に地味!
そもそもなんで空き瓶飛んでくるんだよ治安悪すぎだろ!
このせいで、めちゃくちゃ面白いゲームなんだけど
その面白さが、見てる人にめっちゃ伝わりづらいんだよなぁ。
まとめ
格闘ゲームの面白さの肝は、
相手との技の読み合いや駆け引きにあると思うんだけど、
「空手道」はその面白い部分だけを
原液そのまま抽出してお届けしてるような
格ゲーの旨味成分をダイレクトに胃袋にお届け!されているような
そんなゲームだ。
はっきりいってめちゃくちゃ人は選ぶ!
絵が地味すぎてつまんなく感じる人もいるだろう。
ただ、一度遊べばきっとわかるだろう。
対戦格闘の面白さの肝となる
「間合いの読みあい」に全振りした、
一切の無駄を削ぎ落した、
まるで真剣のようなゲーム性。
小難しい操作はいらない!
じりじりとした間合い管理、
一撃必殺の緊張感、
ひりついた対戦を楽しみたいなら、
間違いなくオススメの一本だ!
みんなも「空手道」やって
漢の真剣勝負に酔いしれようぜ!
押忍!!
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